昨日、ある方からのご招待でNBAバレエ団の「HIBARI」を観てきました。
米国のコリオグラファー、リン・テイラー・コーベットが美空ひばりのドキュメンタリー番組に感銘を受け、美空ひばりの歌を使って、彼女の一生をバレエの舞台化した作品です。
山岸凉子のバレエコミック「テレプシコーラ」のファンで一度、バレエを生で見てみたいものだと思っていたので、喜んで見に行きました。
バレエの公演を生で見るのは初めて。とんちんかんな感想になっているかもですが、感じたことを書いてみます。
美空ひばりとバレエ……一体どんなものになるんだろう?想像もつかないまま、見に行ったのですが、素晴らしかった!見事に美空ひばりの一生を舞台化した作品でした。
何よりも心を動かされたのがコーベットの振付による踊り。当たり前ですが、いわゆる歌唱ショーなどのバックダンサーの踊りとは全然違う。鍛え上げられたバレエダンサーの身体の動きの美しさとダイナミックさに魅了されました。美空ひばりの歌の本質を踊りで表現したら、こうなるのか!と感銘を受けました。
ステージは、背景のスクリーンやパネルに美空ひばりの様々な映像やイメージ画像が映し出され、それとダンサーたちの踊りが重ねられて、一体感のある空間が作りだされていました。
美空ひばりが歌っているので、音楽が素晴らしいのはもちろんですが、選曲もすごく良かった。さらに選んだ曲のテイクも良かった。ライブテイクが多かったのですが、美空ひばりのライブ自体がこんなに素晴らしかったか、と改めて感銘を受けました。ライブ音源だから、時々手拍子が入るのですが、気が付くと手拍子がすごく大きくなっている。周りを見回したら、観客が手拍子をしていた!
個人的には、バックスクリーンに映し出された大きな落日のイメージを背景に5人のダンサーが踊る、「真赤な太陽」が良かったです。やはりライブテイクが使用され、最初はスローに始まり、テンポが2回早まるアレンジで、それに合わせて踊りもドラマティックに変化。かっこよかった!
もう1つ特筆すべきは、舞台の進行役でゲスト出演した元宝塚宙組のスター、和央ようか。宝塚の大スターのオーラは強烈ですね。ステージに出てくるだけで花がある。
それに大変な歌唱力。「悲しい酒」ではひばりの主旋律にハーモニーをつけ、「愛燦燦」をソロで歌い上げたのですが、本家の歌と比較しても遜色がなかったのには、ぶったまげたw
「川の流れのように」をフィナーレに使わずに、カーテンコールで流したのも粋だった。満場のスタンディングオベーションでした。
それにしても、バレエでこんなことができるのか、と強く感銘を受けたとともに、総合芸術としてのバレエの新しい可能性を示唆しているようにも感じたパフォーマンスでした。
情報ソース
http://nbaballet.org/performance/2015/hibari/index.html
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