昨日、ダンス・カンパニー「DAZZLE」の新作「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」を見てきました。
これまで映像は見たことがあったのですが、DAZZLEの公演を生で見るのは初めてです。ダンスに関しては素人で、世界的な水準がどういうものかはわかりませんが、韓流のBGやGGのパフォーマンスをよく見る私の眼には、やはり徹底的に磨き上げられ、メンバー全員の動きは完璧に決まっているように思えました。
この公演でダンス以外で特筆すべきは、演出と音楽です。
前作「二重ノ裁ク者」でも、狭いステージを驚くほど広く、奥行きのある空間にする演出に驚いたのですが、今回は前作を遥かに上回る演出でした。次元が一つ上がってました。小道具の使い方、映像の使いから、舞台空間の分割の仕方、どれも本当に斬新だった。演出の長谷川達也のずば抜けた才能を感じます。
音楽は前作同様、元新体操選手でドラマ音楽を数多く手掛けている作曲家の林ゆうき氏。今回の音楽も世界観にぴったり合っているのはもちろん、ダンスに完璧にあっていました。音楽に合わせて踊っているのか、踊りに合わせて音楽が作曲されているのか、分からなくなるほど決まっていた。
ダンスも音楽も演出も素晴らしいのに、残念なのが物語の世界設定で、著しく物語のリアリティーを損なっていました。
「大気は汚染され、海も涸れ果てた世界」。
イメージとしては強烈ですが、寓話だとしても乱暴すぎです。「海が涸れ果てる」ほどの巨大な熱エネルギーが地球に加えられたら、全生命が死滅してしまう。「環境汚染による気候変動で世界的に干魃が続き水不足になった」くらいで良かったんじゃないかなぁ。
物語は、2部構成で、1部と2部の合間に、観客はある選択を迫られます。本当にある行為をして選ぶんです。どちらを選ぶかによって最終部の物語が変わります。RPGなどではよくあるマルチエンディング方式ですが、ダンスの公演でこの試みはユニークだと思いました。
昨日の公演では、私の選択は少数派で、違う選択の結末を見ました。このエンディングの演出が意表を突く衝撃的なものでした。もう少し詳しく書きたいのですが、ネタバレになってはいけないので、このくらいにしておきます。
もう一つの物語はどうなるんだろう?映像作品でもいいから、ぜひ見てみたい。
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